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フェッラーラ(3)(ヴェネツィア番外編) [ショートトリップ]

昨日・一昨日に続き、フェッラーラ(Ferrara)の記事(最終)です。
 → (1)フェッラーラ概要 / (2)フェッラーラ前編

この日の午後は、チケットを購入した残り2施設と考古学博物館に入り、更に散策しながらスキファノイア宮殿(市立ラピダリオ美術館)やエステ家の墓所(コルプス・ドミニ修道院)、上流階級の邸宅「ロメイの家」、ディアマンティ宮殿(国立絵画館)などを外から眺めました。町は大きくはなく足で十分回れるのですが、予想よりはずいぶん広く疲れてしまいました。足元の石畳のデコボコも疲れの一端を担っています・・・。

最後はカテドラーレです。カテドラーレは、フェッラーラの守護聖人サン・ジョルジョ(町を荒らしていた竜を退治したらしい・・・)を祀っています。ロマネスクとゴシックが入り混じった建物ですが、内部は豪華で全く古臭くありません。正面ファサードには「最後の審判」の彫刻が施されています。

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そういえば、パン屋で名物を買いました。パスタが入ったパイ(パスティッチョ)、もう一つは足が生えたような形のパン、パーネ・フェッラレーゼです。パスティッチョはどっしりと重くボリュームたっぷり。パーネ・フェッラレーゼは少々水気がほしくなるタイプのパンですが、12世紀からの伝統ある名物らしいです。レストランでゆっくり地方名物フェットチーネを食べるのも良いですが、日帰りなど短時間の滞在の場合はパン屋を活用するのも悪くありません。

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最後になりましたが、フェッラーラ旅行の最悪の思い出について・・・。帰りの列車には予定通り17時前に乗り込むことができ、我々は空いた車内でおやつを食べてくつろいでいました。次第に眠くなる夫。平らな大地にぽこっと突き出た山とその麓の町を背景に、私は彼の居眠り姿の隠し撮りをしていていました。

往路とは違って停車駅が多いことは承知していたのですが、停車駅でただならぬ気配を感じて外を見やると、真横から駅構内に車が乗り込んでくるのが見えました。続いてやってきたのは救急車。問題の車両はひとつ後ろの最後尾のようですが、担架は地面に置かれたままで全く搬送される気配はありませんでした。

暫くするとイタリア語のアナウンスが流れ、更に5分ほどすると車掌が来て、私たちを含む後ろ2両の客外に追い出されてしまいました。他の車両の人々は相変わらず列車内にいましたが、車両を切り離す様子も動く様子もありません。ついに夫が係員を捕まえて尋ねたところ・・・「人が死んだ」「乗り換えてもらう」と言われました。ガーン!おやつを食べている間、もしくはカメラで遊んでいる間に近くで人が死んだ!?しかも多分トイレで?・・・人生って虚しい・・・。

長らく客は放置されましたが、最終的に全員が列車から降ろされ、1時間後に発車した列車(しかも遅延)に乗ることになりました。事件の車両は2階建て、次に来たのは1階建て。当然列車はギュウギュウでした。

世界遺産の町フェッラーラの思い出には、こうして死の影と薄暗い駅のイメージが付きまとうことになりました。同じ列車で人が亡くなり、言葉がわからない国で列車から放り出されて戸惑ったこともこの先忘れないでしょう。今はただ、この死者のご冥福を祈るばかりです。

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(関連ブログ)
  小旅行ヴェネツィア (1)概要 / (2)ドゥカーレ宮殿ほか / (3)ムラーノ島・ブラーノ島 / (4)ゴンドラ等
              / (5)サン・マルコ寺院近辺 / (6)レストラン
  フェッラーラ(ヴェネツィア番外編) (1)概要 / (2)前編

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