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山田和樹 マーラー・ツィクルス(第9回) [音楽]

日曜日に、2年半をかけて指揮者・山田和樹さんと日本フィルハーモニー交響楽団がマーラーの交響曲9曲を演奏する「マーラー・ツィクルス」の最終回が行われました。

山田和樹さんの演奏会に最初に行ったのはストラスブールにいるときです。単に日本の指揮者がくるということでチケットを買ったのですが、いつものオーケストラの音がぐっと変わり、熱気にあふれた演奏会となったのが印象的でした。それで、3年ほど前、マーラー・ツィクルスが行われるのを知って、毎年1回ずつ聴きに行くことにしたのでした。

これまでに足を運んだのは、第1回、第5回です。毎年3回ずつで、今年は<第3期 昇華>として第6番から第9番の演奏会が予定されていたので、しめくくりの最終回を選びました。

このシリーズでは、毎回マーラーの前に武満徹さんの曲が演奏されてきましたが、今回は、マーラーが恐れていたとおり最後の交響曲となってしまった第9番の前に、意味ありげに「弦楽のためのレクイエム」が組み込まれていました。

14:15からは、山田和樹さんによる作品解説があり、それぞれの曲の特徴やオーケストラの配置などについて説明をしてくださいました。マーラーの交響曲第9番には、それまでに作曲された交響曲の要素が少しずつ取り込まれているとか。今回は第2バイオリンが向かって右の手前に来る対抗配置という配置がとられており、バイオリンの音が通常とは違う方向から聞こえました。

今回の2曲では、弦楽器の唸るような響きを存分に味わうことができました。我々にとってもシリーズ最後の演奏会でしたが、指揮者やオーケストラにとっては3年近く走り続けてきたシリーズ9回の最後を飾る大切な1曲です。終盤になるにつれ、演奏も熱気を帯びていったようでした。第4章の最後には、静かに音が消えていき、ついに完全に音がなくなってしまっても、舞台も客席も誰も動くことはできませんでした。長い静寂がしばらく続いた後、割れるような拍手が起こり、何分も鳴りやまない、感動的な演奏会でした。


山田和樹 マーラー・ツィクルス第9回

開演:2017年6月25日(日)15:00 (14:15開場)
曲目
 武満徹:弦楽のためのレクイエム
 マーラー:交響曲第9番ニ長調
会場 Bunkamura オーチャードホール
指揮 山田和樹
演奏 日本フィルハーモニー交響楽団

山田和樹 マーラー・ツィクルス プログラム
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/15_mahler/program.html

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山田和樹 マーラー・ツィクルス(第5回) / 山田和樹 マーラー・ツィクルス(第1回) / 日本人指揮者がやって来た

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山田和樹 マーラー・ツィクルス(第5回) [音楽]

2/27、山田和樹 マーラー・ツィクルス第5に行ってきました。3年かけてマーラーの交響曲9曲をこなす大プロジェクトで、今年は2年目で、「第2期 深化」として第4番から第6番までが演奏されます。毎回、マーラーの交響曲に武満徹の曲が組み合わせてあります。

今回出かけたのは第5回、順番通りの交響曲第5番です。ついでに第5章まであって、5尽くしです。
立ち見が出るほどの盛況ぶりで、人気のほどがうかがえました。

開演に先立ち、14時半から、指揮者による曲目解説がありました。マーラーの5番はずっと前から知っている曲ですが、あまり背景は気にしたことがありませんでした。説明を聞いてみると、最初のリズムは葬送行進曲のようなものであるということで、実際にそう思って聴いてみると、演奏も厳かにゆっくりと演奏されているようでした(自分が常々思っているのとはリズムの解釈も違っていました)。

出だしのトランペットが力強かったのはいいですが、演奏者の顔が、吹いていくにつれ真っ赤になっていくのがよく見えました。あの音量を出すにはかなり力がいるのだなあと、変なところに感心しました。

武満徹氏のほうは、現代的な音階で、何やら難しい音楽でした。タイトルからして秋の風景の音楽だったのでしょうが、今一つピンとは来ませんでした。ソリストの楽譜もさぞかし難しいだろうと思いました。もう芸術の域です…。

山田和樹氏の指揮を見るのはこれで3度目ですが、何度聞いても若さというか、エネルギーを感じる演奏会だったと思います。日本フィルも、やはり上手でした。ただ、席の位置のせいか、交響曲については前回(第1番)のときのほうがなんとなくまとまりが良かったように思えました。とはいえ、終盤はぎゅっと詰まった感じで、力強く演奏会は終わりました。ブラボー!

演奏者は音を出さない間がありますが、指揮者は曲の合間ぐらいしか腕を下ろしていられないと考えると、1時間以上の大曲の演奏のあいだずっと全力でタクトを振り続けていた山田和樹氏の集中力と体力には脱帽です。

ロビーでは、昨年のものと思われるマーラー交響曲第2番「復活」のCDが華々しく売られていました。このCDは、楽天ブックスなどでも購入できます。

山田和樹 マーラー・ツィクルス第5回:
開演 2016年2月27日(土)15:00
曲目
 武満 徹 : ア・ストリング・アラウンド・オータム*
 マーラー : 交響曲 第5番 嬰ハ短調
 *ヴィオラ : 赤坂智子
会場 Bunkamura オーチャードホール
指揮 山田和樹
演奏 日本フィルハーモニー交響楽団


山田和樹 マーラー・ツィクルス プログラム
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/15_mahler/program.html

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山田和樹 マーラー・ツィクルス(第1回) [音楽]

ストラスブールにいるころは、平日に時々オーケストラのコンサートに足を運んでいました。指揮なんて棒を振っているだけだと思う人もいるようですが、同じオーケストラの音楽を何度も何度も聞いていると、やっぱり指揮者によって、あるいは共演者によって熱の入り方やまとまり具合が違うのがよくわかります。

そういう風にハッとした指揮者の一人が、山田和樹氏でした。あの時は、ストラスブールに日本人の指揮者が来るなんて珍しい、という理由でチケットを買ったのです。彼はまだ30歳すぎで、ひょこひょこと歩く若く小柄な日本人指揮者だ、と思いました。しかし!ブザンソンのコンクールで優勝した経歴や、世界の小澤征爾にも認められたというだけあって、いつもと違う、熱が伝わってくるとてもまとまった演奏で、客のほうもいつもより興奮し、曲が終わると同時にすごい拍手が沸き起こったのを覚えています。
 → 当時のブログはこちら(2011年11月)

その山田和樹氏が、この1月から「山田和樹 マーラー・ツィクルス」というプログラムを始めました。2017年までかけてマーラーの交響曲を総なめにするという巨大プロジェクトです。毎回、武満徹氏の曲がマーラーの前に演奏されるのも特徴的です。

この第1回の演奏会に出かけてきました!渋谷にあるBunkamuraオーチャードホールでの開催でしたが、久々に渋谷に降り立ってすぐ、メインの交差点の周囲にあるいくつもの電光掲示板の光と音にくらくらしました。こういう音を聞きにきたんじゃないス…。

会場に着くと、タップリのチラシをもらいました。もともと持っていた荷物と同じぐらいの重さがありました…。その中には、山田和樹氏をフランスまで応援に行くというJTBのツアーカタログも!若い指揮者は(きっと特におばさま方に)モテモテなんでしょう。サインや交流会への参加などのサービスもしなくてはならないだろうし、有能な指揮者ってのも大変だなぁ…。

席は1階の端っこで、若干ビオラの音が大きく(チェロでなくビオラが客席側だった)聞こえる位置でした。
まずは、武満氏の「オリオンとプレアデス」。曲名を考えずに、なんだか不安になるような和音だと思いながら聞いていたのですが、”宇宙的”な音だったらしいです。宇宙とか星とかいったもののイメージは、確かにちょっと不協和音が似合う気がします。
和音はともかく、チェロのソリストの技術がすごく高いと感じました。素晴らしい!山田氏からご家族が見に来ていると紹介され、ちょっと照れているような雰囲気でした。ブラボー!

この曲が終わった時点で感じたのは、山田和樹氏ももちろん素晴らしいのだろうけれど、日本のこのオーケストラのクオリティが、そもそもストラスブールより高いらしいということでした。普通にうまい。ウィーンでも感じたのですが、最高のオーケストラは、指揮者のほしい理想的な音色を奏でることができる、だから指揮者の良さがより引き立つのではないかと思います。後半がより楽しみになりました。

休憩をはさんで、いよいよマーラー、交響曲第1番が始まりました。1時間近くもある大曲ですが、時間はあまり長くは感じませんでした。特に最終楽章は、管楽器に加えて弦楽器の唸るような音がびりびりと伝わってきて、全身に音楽が刺さってくるかのようでした。感動しました!

曲が終わると、我慢してましたと言わんばかりのタイミングで、あちこちから「ブラボー!!!」という声と割れんばかりの拍手が起こりました。指揮者、オーケストラとも「よし!やり切った」という様子で、満足げでした。とても表現できないんですが、360度の音楽の渦に包まれた感じで、本当に良かったんです。やっぱり山田和樹氏はすごかったです…!

今年の残り2回は行けないけれど、また来年、チケットを確保したいです。今回の演奏会のCDが出たら、買ってしまうかも!?


【演奏会情報】
山田和樹 マーラー・ツィクルス

《第1期》創生
第1回 2015/1/24(土)15:00、Bunkamuraオーチャードホール
・武満 徹 :オリオンとプレアデス*
・マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」※ハンブルク稿
   *チェロ:菊地知也

指揮:山田和樹
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団 http://www.japanphil.or.jp/

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ストラスブールでのオペラ鑑賞(コメントへの返事) [音楽]

コメント欄に東京・Oさんからの投稿がありました。

内容は、ストラスブールのオペラ座でのオペラ鑑賞について。

 ・オペラチケットは初日でないと買えないか?
 ・服装はどんな様子か?

私の個人的な感想になるかもしれませんが、ご参考に、私の印象を書いておきます。

私もオペラ座には何度か行ったのですが、有名でない演目は寸前でも買えることがありました。昨年のタンホイザーは初日でほぼ完売でしたが、確かハムレットのチケットを買った時は公演のひと月前とか2週間前とか、そんな感じだったと記憶しています。ただし、半円形の、かなり端っこの方、そして最前列でない場所だったので、ちょっと見えにくかったです。売れ残っている席は、鑑賞しにくい席、もしくは高い席なのではないかと…。それから、演出家の知名度が高い場合もさっさと売れてしまうと思います。(私には全然わからなかったのですが)

正面の最前列席、もしくはリーズナブルなのに最前列といった人気席が欲しかったら、やはり初日に買うことをオススメします。毎年、発売日には列ができ、朝から整理券が配られるみたいですよ。なお、クリスマスシーズンはマルシェ・ド・ノエルのために観光客がどっと増えるので、オペラの客にも影響はあろうかと思います。

最悪の場合、立ち見席もありますが…数時間は辛いと思います。

それから、服装です。
公演の初日に行った時はプレスの人や招待客がたくさんきていて、1階の席はやる気満々!といった感じでした。でも、ほかの日はオシャレすぎると却って目立っていたような気がします。少なくとも背中のあいたドレスとか、蝶ネクタイとか、そんな人はほぼいませんでしたよ。

最上階など安い席では、学生がいたりするので、ジーンズの人たちも。ストラスブールは田舎の町なので、さしてオシャレでもないんですよね…。幕間にサロンで飲み物を飲んだりする場合には周囲が気になってゆっくりできないかもしれませんので、自分が恥ずかしくない程度の格好をしておけば良いと思います。ジャケットだけ羽織るとか、スカーフだけ巻いてみるとか、私はそんな感じでした。

気をつけて行っていらして下さいね。
いい席が確保できるよう、そして素敵な旅になるよう祈っています!

※ ストラスブールのオペラ座
   Opéra national du Rhin: www.operanationaldurhin.eu/‎

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コンサート(ラフマニノフ交響曲第2番) [音楽]

先日、ストラスブールフィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました。思い出のある曲が含まれていたのでチケットを買ったのす。客の入りは8割ぐらいだったように思いますが、とてもよくまとまっていていつもより上手に聞こえました。

まずは現代音楽、Kancheliの「Styx」(読めない・・・)です。ビオラのソロ奏者がいるのに協奏曲とは書かれていません。コーラスもいますが、歌というよりは声も楽器のように扱われているように思えました。不安な音階、ハッとするような大音量と静寂が入り混じった曲で、オーケストラやコーラスが少しでも乱れるとガタガタになりそうなのに、音のキレが良いというか、よくまとまっていました。古典的な音楽にない打楽器の音なども面白い曲でした。

休憩を挟んで、2曲目はラフマニノフの交響曲第2番です。ラフマニノフといえばピアノ協奏曲が有名すぎるため、このシンフォニーの生演奏を聴く機会に恵まれるとはあまり思っていませんでした。1時間近くある長い曲ですが、個人的には好きな曲目の一つです。春のようなわらかさもあり、この時期にふさわしい選曲だと思いました。こちらもよくまとまっていたし、自分が持つ曲のイメージとのズレもなく、とても満足しました。

同じ楽団の演奏を何度も聴きましたが、今回は何かが違って聞こえました。楽団から引き出される音は、指揮者によってやはり違うのです。以前ここでタクトをとった山田和樹氏のときと同様、今回もミハウ・ドヴォジンスキ氏の指揮により躍動感あふれる素晴らしい演奏を聞くことができたのでした。ブラボー!

曲目等を見る


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オペラ「タンホイザー」 [音楽]

ストラスブールにあるオペラ座(Opéra National du Rhin*)で、有名なワーグナーのオペラ「タンホイザー」を見てきました。3幕、休憩2回を挟んで3時間50分もの長時間にわたる演目で、実際にオペラ座を出たときには開演から4時間以上が経過していました。大作でした。

今回は新解釈ではあったようですが、そんなにぶっ飛んだ演出ではなかったので、難解さに苦しむこともなく落ち着いて見ることが出来てほっとしました。ちょうど今日が初演でさぞかし気合が入っているだろうと思いきや、どうも歌手の調子に問題があったようで、2幕目の前にも説明が入る波乱の幕開けとなりました。

私の席は3階でしたが正面にそこそこ近く、しかも1列目だったので問題なく見ることができました。聞き覚えのある音楽を聴きながら優雅にオペラを楽しむことができて、とても満足でした。コーラスがとても良かった!近くに素敵なオペラ座があってよかった!Merci、OnR!

 * Opéra National du Rhin (OnR): www.operanationaldurhin.eu

演目等詳細はこちら


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ベルリンフィルの一部がきたけれど [音楽]

先日、ベルリン・フィルの弦楽器メンバーで結成された「Philharmonishe Camerata Berlin」の演奏会に行ってきました。ベルリン・フィルの一部がこんな田舎に来てくれたわけですから!プログラムはJ.S.バッハのバイオリンとオーボエの協奏曲で構成されており、バイオリン、オーボエのソロはそれぞれガイ・ブラウンシュタイン、ラモン・オルテガ・ケロでした。(詳細は下記参照)

もちろん演奏は良かったのですが、今までになくストレスがたまった演奏会でした。まず、開始が10分遅れました。フランスは時間にルーズとされる国ですが、オペラやコンサートの開始はこれまでは時刻どおりでした。この日は珍しくチケットの当日販売所が混んで行列ができていたので、客が買い終わるまで待っていたのかもしれません。コンサートが始まったのは20時40分、日本ならほぼ終了の時刻でした。

この日は隣に巨大なお姉ちゃんが座り、彼女が動くたびに席が連動してグラグラゆれ、ときどき視界もゆれました。席のすわり心地はいまひとつでしたが、太っているのはすぐにやめられないから仕方ありません。時折「地震」を感じつつ軽快なバッハの協奏曲を2曲目まで聞いたころで、後ろから不意に「Excusez-moi」と聞こえてきました。音楽の合間でも普通はあまりぺちゃくちゃ喋ったりはしないので、きょとんとして後ろを向くと、「アナタ、首を曲げるのをやめてくれない、私が見えないの、わかった?Merci.」。・・・ハ?

私の前にはムッシュウのでかい頭があって、直立不動だとファーストバイオリンの後列2人とコントラバスしか見えなかったんです。つまり首を曲げないとソロどころかほとんど全部が見えない。はっきり言って私も辛いけれどギリギリ程度で我慢していたのです。そもそも段差がさほど高くないホールだから、周囲の人たちも私どころじゃなく傾いていたし、ベタベタしながら見ているカップルだっていました。欧米人に比べてチビの私が前の人の頭をちょいとよけた程度で非常識なほど邪魔になるとは思えません。

自分だけ遠慮するのもバカバカしいので、次の曲も直立不動で過ごしたりはしませんでしたが、「何でアタシだけ我慢しなきゃいけないのか?」とムカムカしてきてその後休憩まで音楽には集中できませんでした。ほとんどの人が少しずつ我慢しているのに、自分だけ良ければいいという姿勢にそもそも腹が立つ・・・。それで、休憩をはさみ、頭を動かさずとも全体が見渡せる夫と席を入れ替わることにしました。

席に戻ったとき、既に例のおばさんは座っていました。それで、彼女の前に夫が座り、私は通路側になりました。前のマダムも結構背があって半分ぐらいはやっぱり見えないものの、少し首を傾けると前半の席よりよく見えたので満足。一件落着、後半は落ち着いて音楽を聴くことが出来ました。

でも結局、後ろの2人も席を入れ替わり、おばさんは自らまた私の後ろへ。あら、ウチの夫はナナメったりしませんのに~!自分で選んで座ったので、彼女もさすがにもう文句は言いませんでした。多少ブツブツ言っている感じはありましたが。この後もオバサンは、携帯電話の着信の音が聞こえた、横(通路を挟んで隣)で話し声がしたなど、曲の合間にいちいち文句を言っていました。ただし、今度は自分のツレにだけ。隣なんだから同じように「黙ってよ、聞こえないでしょ」って言いなさいよっ!音の方がよほど邪魔だろうに、欧米人には言わないわけ!?・・・腹立たしく思いつつも無視。

ややこしいオバサンは、演奏が終わると座ったまま「ブラボー!」と叫び、そして誰よりも早く席を立って帰っていきました。そんなに良かったなら、もっと拍手を送るでしょ、普通・・・。通路や車が混む前にさっさと帰ってしまおうというわけで、あくまでも自分の行動優先です。誰かに邪魔されるのが我慢ならないワガママな人なのです。こういう人、フランスには結構いる気がするけど・・・疲れる・・・。

フランス語のテストでいちいち「交渉しなさい」とか「反論しなさい」とかいう試験があるのはこういうことがあるからだと思いました。これまでに見た現場での「アナタ邪魔よ」に対するフランス人の回答は、毎度「だって僕はこうだもの」でした。不意打ちで頭は真っ白でしたが・・・私もそういえばよかったわねぇ。

音楽が吹っ飛んだ演奏会でした。

(プログラム)はこちら


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ドン・キホーテ(バレエ) [音楽]

1月11日に「Don Quichotte」を見てきました。フランス語ではドンキショット、つまり「ドン・キホーテ」です。オペラ座(l'Opéra national du Rhin)のプログラムですが、今回はバレエ(もしくはダンス)でした。

OnR_Jan2013.JPG
夜のオペラ・ナショナル・デュ・ラン

ドン・キホーテはスペインの作家ミゲル・デ・セルバンデスの作品です。ラ・マンチャに住む男が騎士道物語にはまりすぎて自らを騎士であると妄想し、旅に出る物語です。風車を巨人だと思って突進する場面が有名です。バレエでは駆け落ちした恋人たちを(結果的に)助ける場面が使われたりするそうですが、今回は演出がとっても斬新で、どの場面を表しているのかが全然わかりませんでした・・・。

この舞台の予告編はこちら↓ (※制限があるのでYoutubeで見てください)

URL: http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=ogS6Oc1PWQ0#t=0s

最初は舞台の端に鎧が置いてあり、シャツを羽織ったダンサー達が順に躍動感ある踊りを見せました。後方には映像が投影されるのですが、動きがぎこちなく止まっては中央に表示されたマルがくるくる回り・・・失敗しているような気がしてなりませんでした。まあメインは舞台のダンサーたちなのだけど。。。

ダンサーたちが鎧のパーツをひとつずつつけて踊る間も後方では映像が流れていました。次第に画像は止まらなくなったものの、走る女性がいたり、鎧をつけた青年が車に揺られていたり。現代風ドンキホーテなのかもしれませんが、ダンスとの関係は謎・・・。いきなり新バージョンを見ると理解に苦しみます。

後半ではいわゆるバレエらしい服装・踊りが見られました。恐らくこのバレエ団のトップの人たちでしょう、手足が長く顔が小さく踊りも美しく一つ一つのポーズも洗練されていたように思います。しなやかな動きだけれど、片方の足を軸にして回ったり跳んだりすることが多いので、かなりの筋力の持ち主だろうと感心してしまいました。この舞台の中で最も晴れやかな場面でした。

最後はまた現代的なダンスで締めくくられました。最後に躍動感あふれる踊りを見せた男性2人のうちの1人がドンキホーテ、もう一人が従者なのであろうと想像しつつ・・・最後まで理解に苦しんだ1時間半でした。

フランスを含めヨーロッパではオペラやダンス、音楽がとても身近にあるので、毎度古典的なものを上演していてはお客が減ってしまうのでしょう。でも、私には難解でした。機会があったらもう少しストーリーが明確なドン・キホーテ(「ラ・マンチャの男」も含む)を見てみたいなと思いました。

 * l'Opéra national du Rhin(OnR): http://www.operanationaldurhin.eu/

(Don Quichotte概要)
  Direction musicale Myron Romanul
  Chorégraphie Rui Lopes Graça - Marius Petipa
  Musique Léon Minkus, musiques du XVIIe siècle à aujourd'hui
  Décors et costumes Bruno de Lavenère
  Ballet de l'OnR
  Orchestre philharmonique de Strasbourg

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最近のはやり [音楽]

最近、ニュースでもよく取り上げられる音楽があります。たまねぎ、たまねぎ♪・・・いえいえ、魚屋さんです。イギリスの音楽ですが、フランスでも人気のようです。一度きいたら耳に残ります。歌詞が気になる・・・。

♪ 1 pound fish (YouTubeより)



(今日のフランス語)  poisson  魚 (男性名詞)

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演奏会(OPS+エフゲニー・キーシン) [音楽]

ちょっと遅くなりましたが、12月12日、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre Philarmonique de Strasbourg; OPS)*のコンサートに行ってきました。予定がつまり気味なのを承知でチケットを取ったのにはわけがあります。この日はピアニストのエフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin)の演奏が聴ける日だったのです。

この日はたっぷりグリーグを楽しむ日だったらしく、前半は「十字軍王シーグル」とピアノ協奏曲(ピアノ協奏曲イ短調作品16)、後半は有名なペールギュント組曲という構成になっていました。このピアノ協奏曲はグリーグが作曲した唯一の協奏曲だそうです。曲名や作曲者をきいてピンとこなくても、協奏曲とペールギュントは最初の一部を聞けば誰もが「聞いたことがある!」と思うはずの有名な曲です。

この日の演奏、特に協奏曲は良かったです。そして、何と言ってもキーシンの演奏に聞きほれました。きらめきのある音、エレガントな動き、オーケストラを置き去りにしない冷静さ。かつての神童は現在も偉大なピアニストでした。割れんばかりの拍手の中、アンコールに答えて3度も演奏してくれました。素晴らしかった・・。

指揮者ジャン・レイサム=ケーニック(Jan Latham-Koenig)もたまりませんでした。後ろから見ても紳士的で素敵なのですが、動きもまた魅力的で、どのような音楽を引き出したいのかが体全体で表現されているように思えました。躍動的だったので体力を消耗しそうですが、最後まで力のこもった指揮でした。

最後の曲、ペールギュントの第2組曲は少し寂しい終わり方をします。そのためかオーケストラも1曲オマケの演奏をしてくれました。手が痛くなるぐらい拍手をし続けた、いい演奏会でした。

演奏会直後、ピアニストはCDを買った人へのサインに追われていました。画像を残すことができなかったのは残念ですが、近くで名ピアニストを見られていい思い出になりました。また聴けたらいいな。

 * Orchestre Philarmonique de Strasbourg: www.philharmonique-strasbourg.com/

(演奏会詳細)
  Programme:
   Grieg | Marche d'hommage, extrait de Sigurd Jorsalfar suite d'orchestre op. 56
   Grieg | Concerto pour piano et orchestre en la mineur op.16
   Grieg | Peer Gynt : Suites d’orchestre n° 1 et n° 2 op. 45 et 55

  Direction: Jan Latham-Koenig
  Piano: Evgeny Kissin
  Orchestre Philarmonique de Strasbourg
  12 Décembre 2012, Salle Érasme, Palais de la Musique des Congrès

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