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山田和樹 マーラー・ツィクルス(第9回) [音楽]

日曜日に、2年半をかけて指揮者・山田和樹さんと日本フィルハーモニー交響楽団がマーラーの交響曲9曲を演奏する「マーラー・ツィクルス」の最終回が行われました。

山田和樹さんの演奏会に最初に行ったのはストラスブールにいるときです。単に日本の指揮者がくるということでチケットを買ったのですが、いつものオーケストラの音がぐっと変わり、熱気にあふれた演奏会となったのが印象的でした。それで、3年ほど前、マーラー・ツィクルスが行われるのを知って、毎年1回ずつ聴きに行くことにしたのでした。

これまでに足を運んだのは、第1回、第5回です。毎年3回ずつで、今年は<第3期 昇華>として第6番から第9番の演奏会が予定されていたので、しめくくりの最終回を選びました。

このシリーズでは、毎回マーラーの前に武満徹さんの曲が演奏されてきましたが、今回は、マーラーが恐れていたとおり最後の交響曲となってしまった第9番の前に、意味ありげに「弦楽のためのレクイエム」が組み込まれていました。

14:15からは、山田和樹さんによる作品解説があり、それぞれの曲の特徴やオーケストラの配置などについて説明をしてくださいました。マーラーの交響曲第9番には、それまでに作曲された交響曲の要素が少しずつ取り込まれているとか。今回は第2バイオリンが向かって右の手前に来る対抗配置という配置がとられており、バイオリンの音が通常とは違う方向から聞こえました。

今回の2曲では、弦楽器の唸るような響きを存分に味わうことができました。我々にとってもシリーズ最後の演奏会でしたが、指揮者やオーケストラにとっては3年近く走り続けてきたシリーズ9回の最後を飾る大切な1曲です。終盤になるにつれ、演奏も熱気を帯びていったようでした。第4章の最後には、静かに音が消えていき、ついに完全に音がなくなってしまっても、舞台も客席も誰も動くことはできませんでした。長い静寂がしばらく続いた後、割れるような拍手が起こり、何分も鳴りやまない、感動的な演奏会でした。


山田和樹 マーラー・ツィクルス第9回

開演:2017年6月25日(日)15:00 (14:15開場)
曲目
 武満徹:弦楽のためのレクイエム
 マーラー:交響曲第9番ニ長調
会場 Bunkamura オーチャードホール
指揮 山田和樹
演奏 日本フィルハーモニー交響楽団

山田和樹 マーラー・ツィクルス プログラム
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/15_mahler/program.html

(関連ブログ)
山田和樹 マーラー・ツィクルス(第5回) / 山田和樹 マーラー・ツィクルス(第1回) / 日本人指揮者がやって来た

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サンフランシスコ人

山田和樹は、来年、シアトル響楽団に客演....

http://www.seattlesymphony.org/concerttickets/calendar/2017-2018/symphony/sub22

Program

Camille Saint-Saëns: Danse macabre
Frédéric Chopin: Piano Concerto No. 2
Camille Saint-Saëns: Symphony No. 3, “Organ”
by サンフランシスコ人 (2017-07-04 07:38) 

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