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メッセル・ピット化石地域 [ショートトリップ]

ストラスブール滞在の終わりごろ、ストラスブールから車で日帰りも可能な距離にあるメッセル・ピット化石地域(ユネスコ世界自然遺産、1995年登録)に行きました。フランクフルト・アム・マインからは南東約35㎞の距離、つまりフランクフルト空港からちょっと足を延ばせば行ける場所にあります。

この化石地域は、今はだだっ広い空き地のようにしか見えませんが、昔は火山湖で、周辺には魚類、哺乳類、鳥類、爬虫類など非常に多様性に富んだ生物が周囲に暮らしていたようです。湖底が無酸素状態だったことや、油分を含んだ頁岩が堆積していったことなどによって、多種にわたる生物が、時間が止まったかのようなきれいな化石となって発見されています。動物の進化の過程や、動物たちの生活を知る上でも貴重な史料となっているようです。

この場所は、今は世界遺産として登録されていますが、最初から保護されていたわけではなく、採掘場となった後、産業廃棄物のゴミ捨て場になりそうになった時期もあったそうです。幸いにして重要性が認められて保護され、世界遺産にもなって、現在は展示スペースが併設されたちょっとマニアックな観光スポットになっています。

入口の看板はちょっと恐竜っぽくて、ジュラシックパークみたいでした(馬か何かかもしれません)。Grube Messel と書いてあります。

Messel-1.JPG

ここで発見された化石で一番有名なのは原始的な霊長類の化石「イーダ」です。骨格だけでなく、動物としてどんな形をしていたのかがよくわかります。ただし、ここで展示されているのはレプリカです…。

Messel-2_ida.JPG

カエルの化石も展示されていました。まるで泳いでいるようでした。

Messel-3.JPG

ガイドツアーにも参加してみました。インフォメーションの展望台からも見えるには見えるのですが、ツアーではフェンスの中に実際に入ることができます。

Messel-4.JPG

頁岩や化石のプレートも触らせてもらえました。何を言っているのかは、ほとんどわからなかったですが、なんとなく満足しました。

Messel-5.JPG

ここで発掘された史料は、メッセル、ダルムシュタット、フランクフルト・アム・マインなどの博物館でも見ることができるそうです。

なお、メッセル・ピットは、英語併記はあったものの、どちらかというとドイツ語中心の観光施設だったなという印象でした。本やネットの記事、解説などを読んでから行った方が理解しやすいかもしれません。

参考:
ドイツ観光局のメッセル・ピット化石地域の情報(日本語)
http://www.germany.travel/jp/towns-cities-culture/unesco-world-heritage/messel-pit-fossil-site.html

追記2015.08.23
イーダの化石が今、上野の科学博物館に来ています。(なんという偶然…!)
脊椎動物の進化に迫る特別展示「生命の大躍進」は10/4までです。


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