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ベルリンフィルの一部がきたけれど [音楽]

先日、ベルリン・フィルの弦楽器メンバーで結成された「Philharmonishe Camerata Berlin」の演奏会に行ってきました。ベルリン・フィルの一部がこんな田舎に来てくれたわけですから!プログラムはJ.S.バッハのバイオリンとオーボエの協奏曲で構成されており、バイオリン、オーボエのソロはそれぞれガイ・ブラウンシュタイン、ラモン・オルテガ・ケロでした。(詳細は下記参照)

もちろん演奏は良かったのですが、今までになくストレスがたまった演奏会でした。まず、開始が10分遅れました。フランスは時間にルーズとされる国ですが、オペラやコンサートの開始はこれまでは時刻どおりでした。この日は珍しくチケットの当日販売所が混んで行列ができていたので、客が買い終わるまで待っていたのかもしれません。コンサートが始まったのは20時40分、日本ならほぼ終了の時刻でした。

この日は隣に巨大なお姉ちゃんが座り、彼女が動くたびに席が連動してグラグラゆれ、ときどき視界もゆれました。席のすわり心地はいまひとつでしたが、太っているのはすぐにやめられないから仕方ありません。時折「地震」を感じつつ軽快なバッハの協奏曲を2曲目まで聞いたころで、後ろから不意に「Excusez-moi」と聞こえてきました。音楽の合間でも普通はあまりぺちゃくちゃ喋ったりはしないので、きょとんとして後ろを向くと、「アナタ、首を曲げるのをやめてくれない、私が見えないの、わかった?Merci.」。・・・ハ?

私の前にはムッシュウのでかい頭があって、直立不動だとファーストバイオリンの後列2人とコントラバスしか見えなかったんです。つまり首を曲げないとソロどころかほとんど全部が見えない。はっきり言って私も辛いけれどギリギリ程度で我慢していたのです。そもそも段差がさほど高くないホールだから、周囲の人たちも私どころじゃなく傾いていたし、ベタベタしながら見ているカップルだっていました。欧米人に比べてチビの私が前の人の頭をちょいとよけた程度で非常識なほど邪魔になるとは思えません。

自分だけ遠慮するのもバカバカしいので、次の曲も直立不動で過ごしたりはしませんでしたが、「何でアタシだけ我慢しなきゃいけないのか?」とムカムカしてきてその後休憩まで音楽には集中できませんでした。ほとんどの人が少しずつ我慢しているのに、自分だけ良ければいいという姿勢にそもそも腹が立つ・・・。それで、休憩をはさみ、頭を動かさずとも全体が見渡せる夫と席を入れ替わることにしました。

席に戻ったとき、既に例のおばさんは座っていました。それで、彼女の前に夫が座り、私は通路側になりました。前のマダムも結構背があって半分ぐらいはやっぱり見えないものの、少し首を傾けると前半の席よりよく見えたので満足。一件落着、後半は落ち着いて音楽を聴くことが出来ました。

でも結局、後ろの2人も席を入れ替わり、おばさんは自らまた私の後ろへ。あら、ウチの夫はナナメったりしませんのに~!自分で選んで座ったので、彼女もさすがにもう文句は言いませんでした。多少ブツブツ言っている感じはありましたが。この後もオバサンは、携帯電話の着信の音が聞こえた、横(通路を挟んで隣)で話し声がしたなど、曲の合間にいちいち文句を言っていました。ただし、今度は自分のツレにだけ。隣なんだから同じように「黙ってよ、聞こえないでしょ」って言いなさいよっ!音の方がよほど邪魔だろうに、欧米人には言わないわけ!?・・・腹立たしく思いつつも無視。

ややこしいオバサンは、演奏が終わると座ったまま「ブラボー!」と叫び、そして誰よりも早く席を立って帰っていきました。そんなに良かったなら、もっと拍手を送るでしょ、普通・・・。通路や車が混む前にさっさと帰ってしまおうというわけで、あくまでも自分の行動優先です。誰かに邪魔されるのが我慢ならないワガママな人なのです。こういう人、フランスには結構いる気がするけど・・・疲れる・・・。

フランス語のテストでいちいち「交渉しなさい」とか「反論しなさい」とかいう試験があるのはこういうことがあるからだと思いました。これまでに見た現場での「アナタ邪魔よ」に対するフランス人の回答は、毎度「だって僕はこうだもの」でした。不意打ちで頭は真っ白でしたが・・・私もそういえばよかったわねぇ。

音楽が吹っ飛んだ演奏会でした。

(プログラム等)
 J.S.Bach
  Concerto pour hautbois en sol mineur BWV 1056
  Concerto pour violon en la mineur BWV 1041
  Concerto pour hautbois en fa majeur, BWV 1053

  Concerto pour violon en mi majeur BWV 1042
  Concerto pour violon et hautbois en ré mineur BWV 1060

 バイオリン:Guy Braunstein
 オーボエ:Ramon Ortega-Quero
 Philharmonishe Camerata Berlin
 1er mars 2013, PMC Salle Érasme

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