リクヴィル （Riquewihr；ワイン街道）

今日はリクヴィル（Riquewihr）に行ってきました。ワイン街道沿いの村で、コルマールからもそう遠くはありません。ストラスブールからは100km弱で、高速道を使えば割とすぐでした。

駐車場はどこもあふれ気味でしたが、我々は運よく車が出て行ったのですぐ停めることができました。早速村に入ってみると、先週行ったオベルネ（Obernai）や、何カ月か前に行ったリボーヴィレ（Rebeauvillé）よりもずいぶん賑やかで、日曜なのにお店も開いているし観光客もたくさんいました。村の周囲はブドウ畑です。村のすぐそばはもちろん、遠くにみえる山の方まで一面ブドウ畑でした。賑わってはいたものの、やはり小さい村だったので、しばらく歩くともう村の端に着いてしまいました。

まずはお腹がすいたのでクレープを食べることにしました。喫茶店（というよりパティスリー）に入って席に着くと、後からどんどんドイツ人がやってきました。ドイツ語を話す店員もいたので、もしかしたらガイドブックに載っているのかもしれません。フランス語を話す客は1割ぐらいだったのではないかと思います。人が入れ替わってもドイツ語…近くでダンケシェーン（=有難う）とか、アイン（=1つ）なんとかとか、シュバルツカフェ（ブラックコーヒー）とかいった単語がぽろぽろ聞こえてきました。ドイツ語に満ちた店内にいると、我々はいつもにも増して浮いているように感じられました。

喫茶店を出るとワインを買いに行きました。さすがワイン街道、この村には、メイン通りや路地を入ったところにワインを売る店がいくつもあります。ワインは基本的に味見（dégustation）をして買うことになっているので、ろくに会話ができない我々にはハードルが高いのですが、先日スーパーで買った8€弱のピノ・グリ（Pinot Gris）のグランクリュがとても美味しかったので、グランクリュならハズレはない、安いグランクリュを買ってみようということになりました。

村を回ってワイン屋を値踏みし、値段がわかって、入りやすい店を探しました。入口を睨みつけていたり、客が多すぎたり、人がいなさすぎる大きな店は怖いので避け、最終的に戸もない小さな店に行くことにしました。まるで倉庫のような店で、リースリング（Riesling）のグランクリュが10€で買えるし、店の入口にあるカウンターで味見もできるのでした。リストをさして「デグスタシオン」と言うと、グラスにワインを注いでくれました。リースリングは辛口だと思っていたのですが、このワインは、すっきりしているのに甘さもあり、これまでに飲んだものとは違っていました。会話がはずめば他にも色々試して楽しめるのでしょうが、車だし（=1人は飲めない）これで満足なので1本買って店を後にしました。Grand Cru Schoenenbourg、2009でした。

天気は今一つでわずかに雨も降っていましたが、最後にブドウ畑の丘の上に行きました。特に案内もないので道を間違ったのですが、そこでは栗拾いをする人たちがいました。丘では、麓の小さな村と、遠くまで広がるブドウ畑の紅葉が見えました。たまたま車を降りた辺りは村で買ったワインのラベルにあったSchoenenbourgの畑だったようです。詳細にはどの畑かはわかりませんが、「ここの辺のどこかでとれたんだ～」と言いながら眺めを楽しみました。ブドウの収穫はもう終わりのようでした。

帰りはワイン街道沿いにドライブしました…が、いちいちワイン街道はこっち、などとは書いていないので、途中であっちに行ったりこっちに行ったり…無駄な動きが多く時間もかかりました。いくつもの小さな村を通っていくのですが、どこに行ってもたくさんワイン屋さんがあって、どこがどう美味しいかなんて到底比較できない、と悟りました。セレスタ近くのScherwillerという村のはずれでは、vin nouveau（新しいワイン）と書いてある看板が目に入り、この店に寄ってこれも買いました。味見もさせてもらえました。先週オベルネで買ったものはかなり甘くてジュースに近かったのですが、今回は「どぶろく」らしい味がしました。この時期だけのものだし甘いので気に入っていましたが、これもそろそろ終わりのようです。いよいよ冬か…。