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シュヴァルの理想宮 [バカンス]

リヨン(Lyon)から約90km離れたオートリーヴ(Hauterives)という村に、郵便配達人フェルディナン・シュヴァル(Ferdinand Cheval)が建造した「シュヴァルの理想宮(Palais Idéal du Facteur Cheval)」*があります。シュヴァルが、たった一人で33年(1879~1912年)もの年月をかけて造った、奇妙な宮殿です。

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宮殿は、道で拾った石や貝、石灰やセメントなどで作られており、とてもユニークな造りとなっていました。巨人像あり、トンネルあり、テラスあり・・・更にはエジプト風の墓、イスラム教寺院、ヒンズー教寺院など様々な宗教まで入り混じっています。そして、あちこちに彼自身の言葉が刻まれていました。

当時は独創的すぎて奇怪だと思われていたでしょうが、今ではこの宮殿は素朴芸術の元祖とされており、1969年には文化財として認められています。ちょっと変わった郵便配達人に過ぎなかったシュヴァルは、今では小さな村の有名人といったところで、村には彼の像もあったりします。

ところで、理想宮には長い昼休みがあり、12:30から13:30は施設が閉まってしまいます。私は12時過ぎに着いてしまったので、13:30の午後の開館時間を待たなくてはなりませんでした。そこで、待ち時間の間に村はずれの墓地にあるシュヴァルの墓「静寂と永眠の墓」を見に行きました。ガイドブックによると、本人は理想宮をお墓にしたかったけれど、村や教会に認めてもらえなかったのだそうです。彼の晩年、1914~1922年に造られた不思議な形をしたシュヴァルのお墓には、何人もの家族の名前が刻まれていました。

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開館時刻と同時に理想宮に入りました(5.8ユーロ/人)。3人の巨人像を見るのを楽しみにしていたのですが、まさにこの巨人像の周辺が工事中で、その周辺はじっくり見ることができませんでした。100周年で、少し傷みかけているところを修復しているようでした。それもそのはず、良く見ると他のところも少しヒビなどが入っていました。何せ素人の手作りですから!

この日は天気もそこそこ良く、宮殿をゆっくり見学することができました。パンフレットを見ながらトンネルに入ってみたりテラスに上がってみたり、見晴らし台に上ってみたり・・・色々なオブジェがちりばめられているので、何度見ても新たな発見がありそうでした。子供たちは理想宮のどこかに配置された動物を探したり、周囲を走り回ったり階段を駆け上がったり。理想宮を壊したりさえしなければいい遊び場になるみたいでした。

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       理想宮北側         テラスから見た人型オブジェ      トンネル内のシャンデリア

理想宮建設のきっかけとなった石、「つまづきの石」近辺も工事中で入ることはできませんでした。最初はどんな石がどんな風においてあるのかわかりませんでしたが、手すりの上に乗っかっている「サルノコシカケ」みたいなものがそうでした。彼がたまたま躓いた石は、ずいぶん変わった形をしていたんですね。

 * シュヴァルの理想宮  www.facteurcheval.com

(関係ブログ)
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