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ストラディバリウス [音楽]

昨日ブログに載せた演奏会のパンフレットに、ヴァイオリニストであるアウグスティン・ハーデリッヒ(Augustin Hadelich)氏は名器ストラディバリウスを使っている、と書かれていました。ストラディバリウスとは、イタリア・クレモナ出身のアントニオ・ストラディバリ(1644~1737)が作った弦楽器のことです。非常に高価な芸術品であるはずなのに、五嶋みどり氏もストラディバリウス、その弟君・五嶋龍氏もストラディバリウス、諏訪内晶子氏、千住真理子氏も!著名なヴァイオリニストはみんなストラディバリウスを使っている…?

そもそもストラディバリウスがそんなにたくさんあるのか?と思い、軽く調べてみました。Wikipediaの記述によれば、現存するストラディバリウスは約650挺もあるということでした。数百年も前に製作された楽器がこれほどたくさん残っているなんて驚きです。CNN.co.jp の記事によると、昨年米国の演奏家に落札されたものは、かつてナポレオンが持っていたとか。皇帝が所有するほどの価値があり、またそれぞれに歴史が残っているからこそ、所有者を変えながらも今まで残ってきたのだろうと思いました。

同じ記事には更に、「持ち主や演奏者の多くは「自分はこの貴重な楽器の一時的な管理人にすぎない」と考える」、「完璧な状態で次世代に引き継がなければ」、「ストラディバリウスを持ってツアーに出ると、自分自身よりも楽器の安全の方が気になってしまう」とも書かれています。演奏家にとって才能をいかんなく発揮できる楽器ではあるけれど、それを所有するのもなかなか大変なことのようです。

なお、ストラディバリウスを使っている人は、必ずしも自己所有しているわけではなく、財団などから貸与されていることも多いようです。前述のハーデリッヒ氏も貸与を受けているようでした。何せ彼はまだ20代、億単位の買い物をするには少々若すぎます…。財団などが管理することで楽器がきちんと手入れされ、すぐれた演奏者の力となり、更に弾きこまれていくわけです。

そういえば今年、日本音楽財団が保有していたストラディバリウス「レディー・ブラント」がオークションにかけられ、これまでの最高値を4倍以上も上回る約12億7500万円(980万8千ポンド)で落札されたとのニュース(Asahi.com)もありました。この収益は全額、東日本大震災の被災地支援にあてられるそうです。この財団はいくつものストラディバリウスを所有・貸与していますが、「レディー・ブラント」はその中でも保存状態が良いもののようです。財団の決断も立派ですが、ストラディバリウスが日本の復興も支えているということで…この楽器の底力みたいなものを感じました。

(参考)
 CNN.co.jp の記事(2011年3月23日)
   http://www.cnn.co.jp/showbiz/30002010.html
 Asahi.com の記事(2011年6月22日)
   http://www.asahi.com/culture/update/0621/TKY201106210519.html
 日本音楽財団
   http://www.nmf.or.jp/
   …「所有楽器一覧」に楽器名、名前の由来、以前の所有者などの情報あり

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