ストラスブール大聖堂の天文時計(その2・からくり) [ストラスブールのスポット]
昨日に続き、ストラスブール大聖堂(カテドラル)の天文時計(Horloge Astronomique)のからくりについて簡単に書いておきたいと思います。
→ 天文時計の見学方法はこちら(昨日のブログ)
まず、カテドラルの天文時計についてです。現在の天文時計は3代目だそうです。1代目は1354年、2代目は1547年に設置されました。現在のものはストラスブールの技師Jean-Baptiste Schwilguéが1838年から1842年にかけて作った機構で、外側は16世紀ルネッサンス様式です。古い時計のパーツはパレ・ロアンの中にある美術館で見ることができます。
この天文時計、時計部分を良く見ると、針が2本ずつあることがわかります。我々が使っている時間は進んでいる方の針が示している時間です。もう一方は30分遅れています。からくりが大きく動くのは12:30、つまり遅い方の針が示す時間でいうと正午です。
この時計のからくりは、1日を人の一生に見立て、人生の折り返し時点が正午である、という考えに基づいて動いているそうです。12時半(遅れている方の針では正午)になると最初に左の天使が鐘を打ち、骸骨の人形の鐘がたたかれます。数度繰り返されるうちに右の天使が砂時計をひっくり返し、そして人形たちが静かに回り始めます。
上段ではキリストの人形の周囲を12使徒の人形が回り、キリストが腕をかざしてそれぞれを祝福します。人形がいないときに腕をかざすのは、見学者たちを祝福するためです。使徒の人形はそれぞれ、キリストの前で少し向きを変えて祝福を受けます。意外に繊細な造りになっています。
下の段では骸骨の周りを4体の人形が回ります。骸骨は死を、周囲を回る人形は人の一生を現しており、幼年、青年、中年、老年の人形が死に向かって歩いている形になっています。この人形はこの時間以外にも15分に1体ずつ(鐘の音とともに)動きます。
人形たちが回っている間に、左上のニワトリが鳴きます。ゆっくりと羽を動かした後、「コケコッコー~!」と叫びます。使徒ペテロの、キリストに対する否認を現しているそうです。キリスト教の話に基づくもので良くは知りませんが、ペテロが女中に「あなたはイエスと一緒にいましたね」と問われ、それを否認する、そしてニワトリが鳴く、というくだりがあり、それを現しているそうです。
一見すると動いていないように見えますが、実は時計の下にある馬車に乗った人形も動いています。これは曜日をあらわしており、1日ごとに1体、計7体の人形が回る仕組みになっています。写真の日は金曜日、人形はヴィーナスです。更にその下にある円盤には1年の暦が書かれており、左の人形が矢で本日の日付とその日の聖人(カトリックのカレンダー)を指し示しています。
150年以上経っても正確に時を刻み続けている天文時計。これから先も、100年経っても淡々と動き続けるのだと思うと不思議な気持ちになります。
→ 天文時計の見学方法はこちら(昨日のブログ)
まず、カテドラルの天文時計についてです。現在の天文時計は3代目だそうです。1代目は1354年、2代目は1547年に設置されました。現在のものはストラスブールの技師Jean-Baptiste Schwilguéが1838年から1842年にかけて作った機構で、外側は16世紀ルネッサンス様式です。古い時計のパーツはパレ・ロアンの中にある美術館で見ることができます。
この天文時計、時計部分を良く見ると、針が2本ずつあることがわかります。我々が使っている時間は進んでいる方の針が示している時間です。もう一方は30分遅れています。からくりが大きく動くのは12:30、つまり遅い方の針が示す時間でいうと正午です。
この時計のからくりは、1日を人の一生に見立て、人生の折り返し時点が正午である、という考えに基づいて動いているそうです。12時半(遅れている方の針では正午)になると最初に左の天使が鐘を打ち、骸骨の人形の鐘がたたかれます。数度繰り返されるうちに右の天使が砂時計をひっくり返し、そして人形たちが静かに回り始めます。
上段ではキリストの人形の周囲を12使徒の人形が回り、キリストが腕をかざしてそれぞれを祝福します。人形がいないときに腕をかざすのは、見学者たちを祝福するためです。使徒の人形はそれぞれ、キリストの前で少し向きを変えて祝福を受けます。意外に繊細な造りになっています。
下の段では骸骨の周りを4体の人形が回ります。骸骨は死を、周囲を回る人形は人の一生を現しており、幼年、青年、中年、老年の人形が死に向かって歩いている形になっています。この人形はこの時間以外にも15分に1体ずつ(鐘の音とともに)動きます。
人形たちが回っている間に、左上のニワトリが鳴きます。ゆっくりと羽を動かした後、「コケコッコー~!」と叫びます。使徒ペテロの、キリストに対する否認を現しているそうです。キリスト教の話に基づくもので良くは知りませんが、ペテロが女中に「あなたはイエスと一緒にいましたね」と問われ、それを否認する、そしてニワトリが鳴く、というくだりがあり、それを現しているそうです。
一見すると動いていないように見えますが、実は時計の下にある馬車に乗った人形も動いています。これは曜日をあらわしており、1日ごとに1体、計7体の人形が回る仕組みになっています。写真の日は金曜日、人形はヴィーナスです。更にその下にある円盤には1年の暦が書かれており、左の人形が矢で本日の日付とその日の聖人(カトリックのカレンダー)を指し示しています。
150年以上経っても正確に時を刻み続けている天文時計。これから先も、100年経っても淡々と動き続けるのだと思うと不思議な気持ちになります。
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